歯並びの見かけと、噛むという機能の調和がポイントです。
鏡に向かって、顔や下の顎の形と、歯のバランスを見てみて下さい。
(1)顔を正面から見たとき・・・顎が左右にずれていないか、口を閉じた時に顎に梅干し状のしわがないかをチェックします。
(2)横から見たとき・・・顔を横から見たときに、唇がもっこりと前に出ていないかをチェックします。このとき、判断する基準として、「Eライン」が使われます。Eラインとは、鼻先と下顎の先(おとがい)を線で結び、唇が、このラインに対してどの位置にあるかを示す一種のものさし(計測線)で、成人の日本人は、このEラインに対して上唇がやや後方、下唇はほぼライン上にあると、美しいとされています。
(3)笑顔・・・このとき、口の両端(口角)が少し上がったきれいなスマイルができ、上の歯ぐきが大きく見えない状態が、美しいとされています。
(4)歯を噛み合わせ、口を横にイーッとしましょう・・・ 上下の歯の正中線が合っているかを見てください。また、上の前歯が下の前歯をおよそ2〜3mm被う感じが良いとされています。
(5)その噛み合わせを横から見てみましょう・・・ 上下の歯がジグザグに交互に噛み合っているでしょうか。これを「一歯二歯の噛み合わせ」と言いますが、これにより、噛んだときの力の均衡を分配することが出来るようになります。
・・・両耳のすぐ前にある顎の関節の病気。症状は様々ですが、噛む筋肉が筋肉痛、口を開けたり閉めたりする時に痛みがあったり、『カクカク』とか『ジャリジャリ』といった音が鳴ったりします。原因としては噛み合わせの不良のほかに、歯ぎしり、骨格異常、ストレスなども考えられます。カクカクと音がする程度なら軽症ですが、口が開きづらい、痛みがあるなどの場合、病院へ行きましょう。
歯の動くメカニズム
多くの方は、不思議に思われるかもしれませんが、硬い骨の中に埋まっているように見える歯は動きます。歯の周りの骨は、私達が知らないうちに、少しづつ新しい骨と古い骨が置き換わっています。それは皮膚や爪などの新陳代謝と同じ仕組みですが、矯正歯科治療で歯を動かすのは、この仕組みを活用していると言えます。矯正歯科治療とは、一言で言うと「矯正装置と歯が動くメカニズムによって、歯を思い描く方向に移動させ、よい咬み合わせとキレイな歯並びを作る治療」と言えます。
もし、美しさだけを求めるなら
患者さんの来院の動機を尋ねると、「デコボコしている」「上の歯が出ている」「歯の間に隙間がある」など、見た目の悪さを治したいという理由が圧倒的に多いです。 もちろん「噛み合わせが逆で、きちんとご飯が食べられない」「舌足らずで発音が伝わりにくい」といった機能的な悩みの場合もありますが、見た目の悪さに治したいよりは少ないのが現状です。矯正専門医は、もちろん見た目も重視しますが、それとは別に機能的な問題も同じぐらい重要視します。
見た目と機能、二つの悩みの解決
矯正歯科治療は、年単位で治療を行う事が一般的です。もちろん治療期間をできるだけ短くする事が大事というとも理解しています。しかし、治療期間の短さのみをアピールするわけにはいきません。なぜなら心身ともの健康増進を目的にして行うのならば、顎などの成長・発育を予測した上で、健康的な自分の歯をゆっくり、着実に動かしてゆくのが一番です。 見た目と機能という両面から患者さんの悩みを解決し、健康に貢献するのが矯正歯科治療です。
矯正治療を始める良い時期は…
治療は不正咬合の状態によって一人ひとりに合ったタイミングがありますが、より効果的な結果を得るには、幼児期から矯正歯科医が定期的に観察していくのが理想的です。歯並び自体は大人になってからでも治せますが、顎の骨のコントロールは、小学生や中学生の成長期の方が容易です。一度相談されることをお勧めします。しかし、治療期間を短くしたいという願いもありますので、装置を入れるのを待つ場合もございます。
『矯正治療は歯を抜くからいやだな』 『健康な歯を抜くのはもったいないよね』 『歯を抜かない矯正治療ってあるんでしょ?』
などなど、矯正治療において歯を抜くことについての意見はたくさんあります。 このことは、何も一般の人だけではなく、歯科医師の間でも議論があるところです。最近では、『絶対に歯を抜かずに治療をする』『子供のときから矯正治療をしていたら歯を抜かずに治療できる』など色々言われております。確かに、子供のときから効果的な治療をすると、歯を抜かずに治療できる可能性も上がりますが、絶対に抜かないと確約できるものでもありません。ある大学の調査によると、56.2%の方が歯を間引いて治療しています。
歯科医師である以上、歯を抜くこと、それも健康な歯を抜くことには抵抗感があります。出来れば、あまり抜きたくはありません。しかし、その歯を抜くことにより、それ以上のメリットが得られる場合は抜いて治療することを提案させていただきます。
以下に歯を抜いて治療するかどうかを決める判断材料をお伝えします。 (参考:日本臨床矯正歯科医会編 歯並びと咬み合わせのガイドブック)
(1) 歯の大きさと顎の大きさの比率 (2) 上の顎と下の顎の不調和 (3) 横顔や軟組織
(1) 歯の大きさと顎の大きさの比率 簡単に言いますと、顎が小さいまたは歯が大きいことによりガタガタになっている場合です。ある程度までは、歯列の幅を広げるなどの対処により対応できますが、限界を超える場合は、歯を間引いて治療した方が、結果が良いと思われます。 下の表は、いわゆる乱杭歯と呼ばれるような歯です。色々な部分で軽いガタガタはありますが、一番ガタガタが大きいのは、白い⇒で示したところです。この部分は、1本分しか隙間がないところに、2本存在しております。この方の場合、歯を間引いて治療させていただきました。
(2) 上の顎と下の顎の不調和 口の中の咬み合わせは、上の顎(上顎:じょうがく)と下の顎(下顎:かがく)の位置関係によって大きく影響を受けます。顎の位置関係に調和が取れていない場合は、上顎前突症や下顎前突症などの不正な咬合の原因となります。 この顎の位置関係を治すためには、外科的に顎の位置を動かして治療を行うことがあります。しかしながら、不調和があるけど、外科手術を行うまででもないといった場合、矯正治療だけで治療をするのですが、その時に歯を間引いて対処することが多いのです。
(3) 軟組織、側貌 歯が前に出ていると口が閉じにくくなります。 閉じるとしても、意識的な力がいるのです。 つまり、意識していなければ、口を閉じることはなくなり、いつもポカンと口を開けた状態になります。 口を閉じることにより、口の中を唾液が潤おし虫歯や歯周病を防いでいます。 しかし、口を開けていると、唾液は働かず口の中は簡単に乾燥をしてしまいます。 口の中が乾燥すると虫歯や歯周病になりやすくなります。もし歯を抜かずに治しても、口が閉じにくくなるようであれば治療の効果は半減するといえます。 また口元が、出ている感覚がある場合には、歯を後ろへ移動させることが必要となってきます。 その場合、歯を間引いて治療する方が、変化が出やすいとき、歯を間引いて治療することを選択します。 横顔は、鼻の頭と顎を結んだ線(E-LINEと言います)の線上が美しいと言われています。歯が前にあることにより、唇が前に出るようになります。